色のない緑色の考えは曖昧に記述する

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本・ゲーム・映画等感想レビュー及び雑記

小説紹介「PSYCHO-PASS関連書籍1 一期ノベライズ・外伝小説ASYLUM」

未見向けの紹介としてアニメのPSYCHO-PASSは紹介した。
そのノベライズとしてPSYCHO-PASSは漫画と小説が多数展開している。

漫画だと常守監視官が主人公でその視点で描かれたの一期の漫画版「監視官 常守朱」全6巻
一期以前の標本事件以前の執行官落ちする前を描いた「監視官 狡噛慎也」全6巻(筆者未読)
二期漫画版全5巻(筆者未読)

小説だと一期ノベライズ上下に加え標本事件を描いた0、キャラ一人にスポットを当てて描いた作品(縢秀星・狡噛慎也)(筆者未読)、世界観を掘り下げる形のキャラ外伝「ASYLUM」2冊、シビュラ成立前の世界を描いたとっつぁんが主人公の外伝「GENESIS」全4巻、劇場版ノベライズ。

このように小説と漫画だけでも多数の作品が展開され世界をより深く掘り下げ世界観をより楽しめるようになっている、そして何よりどの作品もとても完成度が高い。

この中でも今回は一期本編のノベライズ上下と「ASYLUM」の紹介をしていきます。

 

深見真PSYCHO-PASS

こちらが原作というわけではありませんのでノベライズということになります。
基本的なストーリーはアニメと同じですが(この作品に限った話ではありませんが)小説ではビジュアルや音楽で魅せるアニメとは違って繊細な心理描写や文字だからこそ伝えることが出来る要素がたくさんあります。心情の描写や主観的な情報、文字だからこそ広げられる想像、槙島聖護も言っていたでしょう?
「紙の本を読みなよ」
ノベライズ版ではそういった描写の変更のみではなく尺の問題でカットされたと思われる変更点や序盤の展開の違いもあります。ドローン工場での事件は違う事件へと置き換えられよりアクションに重きをおき小説的に映えるようになっています。
そして何より重要なことなのですが「六合塚弥生さんの百合要素が詰まった追加シーン」「宜野座さんのバレンタインデー短編」があります。
はい、もうおわかりでしょう。読むしかないですね?さあ手に取りなよ。

PSYCHO-PASS サイコパス (上) (角川文庫)

PSYCHO-PASS サイコパス (上) (角川文庫)

 
PSYCHO-PASS サイコパス (下) (角川文庫)

PSYCHO-PASS サイコパス (下) (角川文庫)

 

 

 吉上亮「PSYCHO-PASS ASYLUM 」

こちらの作品はキャラと世界観の掘り下げを同時に行った中編2作×2冊になります。
ピックアップされているキャラクターは

1巻では槙島聖護の右腕として活躍した「チェ・グソン」、一期で執行官として活躍した「縢秀星」

2巻では作中ほぼ皆勤賞で皆大好き公式レズの「六合塚弥生」と「唐之杜志恩」、イケ眼鏡の「宜野座伸元」

になります。本編さえ見て(あるいは読んで)いればどちらの巻から手をつけても問題ありません。

チェ・グソンが主役の「無窮花」はチェ・グソンが槙島聖護と出会い右腕となるまでの物語になります。世界観の掘り下げとしては日本国外の情勢や鎖国について、朝鮮半島の現状についてやPSYCHO-PASSの世界でのツールについて、そして桜霜学園にどうやって槙島聖護が仕込みをしたかなどの内容になります。まあ要約すると色々。内容はかなりえっぐいです、エログロどちらもありでこれはアニメでやるのは無理だなという感じでした。

縢秀星が主役の「レストラン・ド・カンパーニュ」
こちらの作品は国内の食料自給についての話になります。作中で語られたようにシビュラ社会ではウカノミタマウイルスによる一品種に依存していますが、完全にそれ以外の食品、植物、牧畜が廃れたというわけではありません。が、依然需要・供給量共に低いままのシビュラ社会で、それも料理は自宅のAIに命令するだけでオートサーバから好みの味で求めている量が簡単に調理され提供される世界。料理の技術や家庭の味なんてものが維持されるわけがありません。その辺のシビュラ社会での「料理」について掘り下げた話となります。吉上亮さんって料理について書くの好きだよね……

六合塚弥生と唐之杜志恩が主役の「About a Girl」
アニメ一期の後に起きた未成年妊婦拉致事件を追う物語です。話としては結構エグいんですよこれも。
世界観の掘り下げとしては国内のシビュラ統制下の外側を描いた物語になります。都市の外側の人が住んでいない捨てられた場所だとかそういう場所の現状ですね。チェ・グソンの物語でも描かれているのですが国境についての掘り下げもあります。
他の物語では基本的に局内から情報支援を担当している唐之杜志恩が現場に出る珍しい話です。
個人的には掘り下げ以外としてもかなり大切な話だと思っていてこの事件が六合塚弥生が「伝説の女刑事」になる切っ掛けだったんじゃないかなって気もします。

宜野座伸元が主役の「別離」
まだ監視官になってそんなに経っていない時期の宜野座さんが主役の物語です。
この話はあまり世界観の掘り下げって無かった気がするんですよね……
でも二期3話で出てくる宜野座さんの飼っている犬「ダイム」との出会いの物語になります。物語としての完成度は高いので宜野座さんが好きな人は読んだほうがいいです。

以上四篇の物語になります。
どの物語もディストピアが舞台らしいグロテスクな面があるのですがよりPSYCHO-PASSの世界観にのめり込める内容になっているので本当におすすめです。
一期ノベライズ共々アニメを見てPSYCHO-PASSが少しでも気になった方はお手にとって見てください。

 作品を読んでくださったならばよければコメントを貰えると嬉しいです。

PSYCHO-PASS ASYLUM 1 (ハヤカワ文庫JA)

PSYCHO-PASS ASYLUM 1 (ハヤカワ文庫JA)

 
PSYCHO-PASS ASYLUM 2 (ハヤカワ文庫JA)

PSYCHO-PASS ASYLUM 2 (ハヤカワ文庫JA)