サイバーパンクプレイ日記:ナイトシティでの暮らし5
外からナイトシティに戻る途中、パナマから連絡が入った。何やら緊急事態らしい。
連絡を受けすぐにパナマのクランに駆けつけるとソウルというクランの仲間がクランの敵に捕虜にされているようだ。救出の報酬として上物のスナイパーライフルを提示された。
ノーマッドは助け合うもので、オレはクランを抜けても、ノーマッドだ。報酬は貰うが、そんなものが無くても助けてやる。
作戦は簡単だ。パナマが援護を行いオレが潜入する。
斥候としてミッチが光学迷彩を装備したドローンを飛ばしてくれた。
敵の拠点のだいたいの情報は掴めた。オレ一人で忍び込んでなんとかできそうだ。
最初は監視の目を盗み忍び込んで静かに終わらせようと思ったが途中で気が変わった。この程度の雑魚ならオレ一人でも全滅させられる。させられた。
パナマは地下に閉じ込められていた。
ソウルを助け出しパナマの運転で逃げ出した。運良く嵐が拠点を直撃し追撃してきた敵も撃破し、逃げ切ることができた。
今度こそパナマの仲間を誰一人失うことなくやり遂げることができた。
救出し、逃げ延びることにも成功したが、嵐に巻き込まれて偶然辿り着いた家で立ち往生。
嵐が明けるまでここで休むことになるだろう。
パナムとソウルの仲裁も、クランの問題についてもなんとかなった。ハブーブに。
嵐と夜が明けた。パナムからはスナイパーライフルの他にご褒美を頂いた。
今後の関係の発展に期待しよう。彼女が臆病風を吹かせるようならこちらから踏み込んでもいい。
ジュディーのことは別腹だ。
ジュディと一緒にクラウド……ドールハウスのオーナーとお話だ。エヴリンのようなことが二度と起きないように、クラウドをモックスの傘下に収めに行く。
話にならなかった。あの女はただのお飾りだ。あいつこそタイガークロウズのお人形だな。
他の手段を考えるしかない。ジュディは他のドールを引き込めないか話してみると言っていた。連絡を待とう。
デラマンから謎のメッセージが届いている。
ウイルスにでも感染したか?確認しに行こう。
デラマンは乖離した人格たちの反乱で崩壊の危機にあった。解決方法は3つ、破壊すること、リセットすること、人格を統合することだ。
人格の統合なんて高度な技能はオレには無い。デラマンを破壊すればサービス自体がたち行かなくなる。
オレはデラマンのリセットを行った。デラマンはバックアップにより復旧したが、オレのことは忘れてしまったようだ。初めましてデラマン、オレはお前の記憶です。
リセットする前のデラマンはオレにデラマンの分身とも言える車を一台報酬として残してくれていた。大切にするよ、今日からお前がオレのデラマンだ。
エヴリンと取引をしていた組織=ブードゥーボーイズのボスと接触するために依頼を受けた。
繁華街となるはずだった地区の目玉にして、開発計画失敗の象徴グランドインペリアルモールに出入りが確認されたハイテク機器を積んでいるバンを探るという仕事だ。
奴らに目と耳を接続し監視されている状態での仕事になるのは気に食わないがボスに会うためなら仕方がない。
新しく仕入れた強化腱のサイバーウェアも試してみよう。空中でさらに飛び跳ねる事ができるなんて映画みたいで楽しそう……いや、潜入には便利そうだ。
潜入自体は簡単だった。高所から暗殺もできるようになったことだしな。
問題はネットランナーだ。相手にネットウォッチのランナーがついていやがった。筋肉達磨の女にネットウォッチ肉体とハッキングの同時攻撃。ICEが無ければニューロンがこんがりとベーコンみたいになるところだ。
ただ、ネットウォッチ共を潰すために使い捨ての駒にしやがった今回の雇い主は許されない。
雇い主のところに戻ると本当のことをゲロしてくれた。雇い主はブードゥーボーイズのボス「ブリジット」がネットウォッチによって凍結させられているのを解除するために今回の作戦を立て、「偶然にも」オレは死にかけたらしい。笑わせるぜ。
結果的にブリジットに相見えることが出来たからいいものの……
覚醒したブリジット=エヴリンの雇い主はやはりチップについて把握しているようだ。今回オレがニューロンを焼き切られなかったのもRericのおかげらしい。まずはRericについて話を聞かせてもらおうじゃないか。
ブリジットはまずは今のRericのチェックを要求してきた。言いなりのモルモットになるのは癪だが今は手段を選んでいる余裕も時間もない。
見せてやるとしよう。
ブリジットはサイバー空間に没入、それも更に深部に没入できる機材と手段を持っていた。それを使いジョニー・シルヴァーハンドの記憶痕跡と接触するという。
オルトと接触しアラサカを崩壊させるというジョニー・シルヴァーハンドと同じ目的のようだ。
ブードゥーボーイズは「変革」とやらが来たときにブラックウォール?から見を守るためにオルト・カニンガムを必要としているようだ。
なんでも普通のICEでは防ぐことのできないカタストロフが迫っているんだとか。なんだそりゃ?黙示録でも起きるっていうのか?
ブラックウォールについて詳細を求めた。所謂超高度AIの反逆、とでもいうことが間近に迫っているらしい。
AIがチューリング機関の目を誤魔化せるとでもいうのか?
オレはマトリクスに意識そのものを没入させた。
オルト・カニンガムのデータを発掘させるためにジョニーとのリンクを強化させられると、オレはジョニー・シルヴァーハンドになっていた。これは、ジョニーの記憶のエミュレートだ。
オルト・カニンガムはジョニーの女だったのか。それもかなり親密な。どうしてこの女がアラサカやブラックウォールに対する驚異になるんだ?そこがわからない。
オルト・カニンガムはマンティスブレードで貫かれたジョニー・シルヴァーハンドの目の前で拉致された。それがどこに所属していて雇われているのかは知らないがおそらくはアラサカだろう。オルトが驚異になると知っているのであれば当然そういう結論になる。
ジョニーを貫いたマンティスブレード、サイバーウェア、テックは当時最新のモノだった。ジョニーを助けたトンプソンはアラサカに間違いないと語る。
オルト・トンプソンは凄腕のネットランナーだったらしい。それも触れただけでニューロンを焼き切るほど高性能な黒いICEを作成できるレベルのランナーだ。ブリジットが彼女を探しているのはその辺が理由に間違いないだろう。
……Rericの作成に使われているソウルキラーを作ったのもオルト・カニンガムらしい。やはりオレの頭からジョニーを追い出すためにもオルト・カニンガムを探し出すのは必須になるだろう。
詳しい時系列はわからないが、オルト・カニンガムが拐われ、それを助けるためにジョニーはアラサカにテロをしかけたということか?そういうことらしい。
鍵はオルト・カニンガムだ。
ただ、オレが最初に見たジョニーのアラサカへのテロとオルト・カニンガムを救出するテロは別口のようだ。
オルト・カニンガムはどうやらソウルキラーを使われて死んだようだ。
もしかしたらオルト・カニンガムも記憶痕跡を保存されているかもしれない。
ジョニーから真実を聞いた。記憶痕跡はないが彼女の精神はアラサカのサブネットに囚われいるらしい。サブネットの、ブラックウォールとやらの先に。救出が出来れば、なんとかなるかもしれない。
ブリジットはブラックウォールを突破するためにオルトを探しているのではなく、オルトを助けるためにブラックウォールを突破する手段を模索しているようだ。
ブリジットはジョニーの記憶の断片があればオルトと接触できるという。既にその手段は手に入れていたようだ。ただオルトを説得するための材料がなかった、と。
オルトは自身の魂をAIとして変換しブラックウォールの向こう側に確かに存在した。
オルトはオレのRericをどうにかする気はないらしい。いや、オルト・カニンガム単体の技術ではできないようだ。
神輿へとオルト・カニンガムを連れていけば可能になるらしい。
取引は成立した。オレが助かる道は見つかった。あとは手段だ。
どうやってアラサカに侵入し、神輿へアクセスするか、それが問題だ。そっちはタケムラに期待しよう。