サイバーパンクプレイ日記:ナイトシティでの暮らし6
パナムが戦闘機バシリスクの払い下げ計画を見つけたと連絡を寄越してきた。
パナムはそいつを横取りする気だ。
計画は簡単だ、バッドランズを輸送しているトラックを列車と車を用いて封鎖し強襲しトラックを奪うだけだ。
頭数もそれなりにいる。なんとかなるだろう。
パナムについてるクランの連中は今のリーダー=ソウルが気に食わないらしい。ソウルを利用してパナムをリーダーとして育て上げようという魂胆のようだ。
列車の制御には成功した。あとはコンボイの到着を待つだけだ。少し休息を取っておこう。
コンボイがやってきた。オレの出番だ。
コンボイの護衛は数も練度も大したことが無かった。所詮は中古品の払い下げだからだとたかをくくっていたのか?
結果的に強奪自体はつつがなく成功した。
だがパナマとソウルの間には深い溝ができた。この先どうなるか見ものだな
ジュディがドールハウスをモクシィを傘下に収めるための計画が固まったらしい。手伝いに行こう。
ジュディはドールのチップを改良し反射速度をソロ……つまりオレのような戦闘のプロのような状態にまで高める改造を施していた。
このチップの改造は最高にクールだ。オレが全力で殴りかかった程度なら受け流せるレベルまで反射が向上している。これなら実用に耐えうるだろう。
計画はドールハウスを制圧するだけでは増援が来て殲滅されて終わりだ。もっと根本を叩かなければならない。相手はタイガークロウズの幹部、ヒロミ・サトウだ。
ヒロミはH8メガタワーの上層に住んでいるそうだ。
ヒロミのほうはオレが、ドールハウスのほうは改造チップを装備しているドールのトムとロキシーが担当になる。
問題はヒロミのところにどうやって辿り着くかだ。
作戦の血行はヒロミとの面会を取り付けることができるかもしれない何日後かだ
パナムがバシリスクを稼働可能な状態まで整えた。一山当てるつもりだ。相乗りさせてもらおうじゃないか。何よりも戦闘機に乗れる機会なんてそうそうあったものじゃない。こういうのに乗ってみたかったんだ。ノーマッドだけ、ってわけじゃないだろうけど、野郎ならだいたいこういうヤツ、好きだろ?
……ウソだろ?昔ながらの操縦桿とかは無いのか?操作は基本全て没入して脳でコントロール?
マジかよ……ロマンの欠片もないな。旧型っていうからああいうのを想像してたんだけどな……
ロマンはないが、これはこれで最高だな、病みつきになる。
ホバークラフト式の操縦役と火器管制役の二人乗り戦闘機バシリスク。
思ったよりも動きがなめらかだ。火器も輸送艇にしてはいいものを積んでる。
……制御役と火器管制役は神経をリンクさせる。それは二人の神経を、お互いの神経を繋げ、感覚を共有するということだ。オレが感じたことパナムが感じ、パナムが感じたことをオレも感じる。この状態での行為は今までの行為とは一線を超えている。まるで次元が違った。中毒になりそうだ。
神経のリンクにこんな使い方があるなんて知らなかった。
二人で蕩けている場合じゃない。ラフェンがキャンプに攻撃を仕掛けている。今こそバシリスクに活躍してもらう時だ。
ま、斥候程度の人数だ。前戯にもならないがな。
ソウルは危険を顧みずにファミリーを守るパナムをようやく認めた。
今日からパナムもソウルと並ぶリーダーだ。今日はめでたい日だ。パナムはこれからどんどん集団を率いるものとしての才能を開花させていくことだろう。
パナムは、パナムとソウルのクランアルデカルドスはオレのクランではないがオレを認めてくれている。ファミリーに入ることも勧めてくれている。
彼らはいつでもファミリーのようにオレを扱ってくれるだろう。Rericについてのことが終わったら、またノーマッドに戻るのもいいかもしれない。
そうやって考えているとオレの意識はそこで途切れた。
どうやらチップの不具合で意識を失っていたようだ。何時間も気絶していたらしい。
そろそろパナムにオレのことを説明しないといけないだろう。ファミリーになるかもしれないならなおさらだ。
彼女にオレの事情を説明した。
何故オレが今彼女とファミリーになれないかこれで彼女も納得してくれるだろう。
彼女は何か力になれないかと心配してくれていたが、多分できることは無いだろう。アラサカに喧嘩を売るよな行為に巻き込む気もない。
惜しいがしばらくは彼女とはお別れだろう。頭のコイツの件が片付いて、まだ生きていたらまた会いたい。
タイガークロウズの幹部ヒロミとご挨拶の時間だ。
メガビルの上層にあるヒロミのお宅には整備フロアから忍び込むことになった。その辺りの図面はジュディが入手してくれた。
整備フロアから屋上に上り最上階にあるヒロミの部屋のバルコニーへと侵入した。警護が何人か居たが熟練のゴリラアーム使いのオレの前にはただの板切れと変わりない。
ロキシーが余計な真似をしやがった。他のタイガークロウズ幹部二人も同席させて自分がヒロミの後釜になると言い出した。
オレはタイガークロウズの幹部三人を処理した。マイコには余計なことをした代償としてこの街を出るように言ったがオレに向かって刃を向けてきた。仲間であったとしても、それは許されない行為だ。計画を狂わせた上に仲間に刃を向ける。正当防衛だ、許してくれジュディ。
タケムラとのアラサカパレード襲撃計画について進展があったらしい。
パレードを計画したのは手をかけた本人だというのが皮肉な話だ。
タケムラはハナコ様の山車まで上から飛び乗るつもりらしい。
アラサカ工業団地に保管されている山車にウイルスを予め仕込んでおいて当日にセキュリティを切って乗り込む、そういう寸法らしい。
当日はオレがスナイパーを排除し、監視カメラをタケムラが操作して目を盗むという話だ。
やはり身体を張るのはオレか、何せオレの頭の死活問題だからな。しょうがない、我慢しよう。
山車には、ハナコ様に直接話しをつけるのはタケムラがやるらしい。正直自殺行為だが、やるしかないのはたしかだ。一か八かだがそれに賭けるしかない。
タケムラはチバシティの出身らしい。あのチバシティだ。サイバーウェアやインプラント技術の最先端を行く街、チバシティ。
あそこには確か有名だったランナーがいたはずだ。
正面からカチコミをかけて正面から突破し山車にウイルスを仕込んだ。当然正面から堂々と帰った。
次のタケムラの連絡を待とう。
連絡が来た。作戦の決行だ。
オレは順番に配置についているスナイパーを一人ずつビルの合間を飛び回り始末していった。そしてその場のネットワークを始末しているネットランナーもだ。
その時ハナコの直属の護衛オダがオレを襲った。ヤツはオレにアイサツをすると両手から展開させたブレードで斬りかかってきた。
ゴリラアーム使いのオレはそれを回避しては殴り回避しては殴りと攻撃を繰り返した。そうしているうちにオダはなんとニンジャめいたジツを使い始めた。煙幕をその場に発生させて消えたんだそして移動しながらのスマート武器による追尾射撃。ヤツは今まで戦ってきたどんなソロよりも優れたソロだった。
相手が射撃武器を出すのであればオレも容赦はしない。ライトマシンガンをばら撒き跳弾で相手の位置を把握しヤツを補足する。そしてオダのもとへと飛び込みショットガンを何発も打ち込んだ。
流石のオダもカスタムされたダブルショットガンには耐えきれなかったようだ。ヤツは古強者だ。アラサカの猛者だ。
ただしナイトシティではオレのほうが強かった。鍛え上げた筋肉と技術の粋をもって作り上げた武器の勝利だ。
そんなことをしているうちにタケムラはハナコの山車へと侵入していた。ネットランナーを排除したのでカメラでセキュリティを切り護衛設備の電源を落としてやるとタケムラはハナコに声をかけた。
タケムラから逃走後の合流場所の支持が来た。あのコンチクショウはハナコを拉致しやがったんだ。これで話し合いができるとはいえ、問題をさらに拗れさせやがった。
ハナコはオレの話を信じようとしない。社長を殺したのは実の兄だということを微塵も疑っていなかったようだ。真実を話していると周囲が急に騒がしくなりだした。そして道路側の壁が破壊され、アラサカの部隊が突撃してきた。
オレは偶然にも床が崩れその隙を逃さずにその場から逃げ出した。途中にアラサカの部隊が何人かに遭遇したが間隙を縫うようにゴリラパンチで卒倒させ逃げ切った。
命からがら逃げ延びモーテルに落ち着いたオレのもとに謎の女がやってきた。不審な動きをしたらすぐに引き金を引くつもりだったが、その女はドールのようだ。
ハナコの代理として来てハナコがそのドールを操っている。オレと対話をしに来た訳だ。
ハナコはオレのことを信用して取引するつもりになったようだ。ハナコはオレと取引をし、神輿について話してくれた。
取引に応じてくれるならば、オレもハナコに手を貸してやろう。アイツはタケムラの仇にもなった。ジャッキー、タケムラ、二人をオレから奪いやがった。
見ていやがれ、一杯食わせてやるぞクソ野郎。
モーテルから出てRericの不具合でオレはすぐに倒れた。疑問がある。
合流場所から出たオレはRericで倒れ気がつくとモーテルに居た。今回も目が覚めると別の仮宿に移っていた。意識が無くなっている間、オレはどうなっている?ジョニーの侵食が進みつつあるのか?もしかして、ヤツがオレの体を……?