サイバーパンクプレイ日記:ナイトシティでの暮らし3
今のオレにはたくさんの選択肢がある。
一つは頭の中のジョニー・シルヴァーハンドをどうにかすること。
一つは前と同じようにフィクサーからの依頼を受けて少しずつ栄光の階段を上がっていくこと。
もう一つは、デカイヤマに取り掛かって一気に大物になることだ。
ジョニー・シルヴァーハンドについては、時限爆弾だが……少し考える時間が必要だ。とりあえずはフィクサーからの依頼を受けながら情報を集めようと思う。
それとホテルの一件でオレはオレの力不足を体感した。もっと大きな力が必要だ。サイバーウェアを新調しなければ……
まずは骨をチタンに肺を人工物に置換した。将来的には腕部の交換も考えている。素手でも相手を始末できたり物を破壊できるゴリラアームなんて便利そうだ。
家を出て車に乗り込むと隕石が当たるような確率の出来事としてデラマンがオレの車に衝突してきた。本社に行けば補填を受けることができるらしい。
この街で移動の足がないのは困る、まずはこいつからだな。
本来ならデラマンが迎えを寄越すのが筋ってもんだが、それも無い。デラマンに何かあったのかもしれない。
デラマン本社に赴いた。何やらデラマンのシステムネットワークに問題が発生しているらしい。デラマンはウイルスに汚染されたのではないかと予想していた。
それについて各車両の調査を依頼された。それぞれの地区を回って車両の調査を始めよう。デラマンにはこれからも世話になるかもしれない。恩を売っておいて損はないだろう。
デラマンのシステムエラーはウイルスでは無かった、メインAIから支持を受けて行動するそれぞれの車両AIのエラー……人間で言えば精神疾患というところか?愛が不足しているやつ、孤独を恐れているやつ、様々な奴が居たがこれはデラマンが向き合わなければ行けない問題だ。おそらくリセットすることで先延ばしにはできるだろうが再発するだろう。上手くやれよ、デラマン。
バグの遺物を受け取りにきた。デッキで使えるプログラム「デーモン」だ。
対象にアクセスして接続されている機器の場所を特定するプログラムだ。単純なものだが、だからこそ使いやすく、有効だ。
オレみたいなハッキングは苦手なハッカーにはお誂え向きの品だ。良いものを残してくれた、有効に使わせてもらうぜ、バグ。
次の依頼は警察からのものだ。
余計な事件の捜査に首を突っ込んでいる刑事を止めてほしいとのことだ。警察の内情は知ったこっちゃないがその正しい刑事さんとやらには残念だが捜査は諦めてもらう。これも仕事だからな。まずは聞き込み調査からだ。
居場所はすぐに掴めた。とりあえず死なない程度に痛めつけておいた。
これで余計なことはするべきじゃないという教訓を得てくれるだろう。依頼主は呆れていたが仕事を無事に終わらせたのに何の問題があるっていうんだ。
話し合いで済ませたいなら最初からそう言え。
時間のあるうちに以前のワカコからの仕事の報酬を受け取っておいた。
報酬として金以外にもスマートリンク対応のサイバーウェアまでくれるらしい。太っ腹なことだな。
ワカコはフィクサーでもあるが大抵の稼ぎは水商売にサイバーウェアの取引、ショバ代、昔ながらのヤクザだ。
義理を通す限りはこちらに対してもヘタなことはしてこないだろう。
また警察からの依頼だ。サーバーにマルウェアを仕込んで貰いたいという話だ。
どうせ秘密の情報収集とかそんなところだろう。オレに感染しないならば関係のない話だ。ちょろいものだな。
一つ一つ問題を解決していく。オレのクレドは階段を上がるように一つ一つ上がっていく。
ゴリラーアームにワカコさんが確保しておいてくれているバイク、欲しいものはたくさんある。金が必要だ。
犯罪者をしばいてなんとか目標の金額を集め念願のゴリラアームを手に入れた。こいつさえあれば鈍器なんて必要ないくらいの物理的な打撃を繰り出せるだろう。そして物理的な扉などの破壊も容易くなる、最高の気分だ。
次はバイクを買うための資金集めだが、タケムラから呼び出されているのを少し放置していた、そろそろ向かわなければいけない。
タケムラは父親殺しの次期社長─ヨリノブ─の罪を明らかにし、自分の主人の復讐をし、自分を使い捨てたクソ野郎を表舞台で裁く気だ。
その見返りとしてそれが叶った暁にはアラサカを説得してReric=ジョニー・シルヴァーハンドの摘出を手伝ってくれるという。
今ある手掛かりは2つだ、機密であるRericの強奪を企てたエヴリン・パーカー。
そしてRericの開発者「ヘルマン」だ。ヘルマンは現在アラサカから逃げ出し失踪しているらしい。アフターライフで見かけたという情報があるらしい。古株フィクサーのローグから話を聞けるかもしない。
エヴリン・パーカーは……ジュディを当たってみよう。彼女はエヴリンと個人的に仲が良かったように見えた。
ジュディに連絡を取ってみた。
彼女はエヴリンについては何も喋りたくないと言っている。頑なに話そうとしない。おそらく何かを知っているはずだ。直接会いに行って話をしよう。
彼女にはまた会いたかったしな。
ジュディは渋ったが心当たりを教えてくれた。エヴリンとは事件の後に話をしたようだがそれっきりになっているようだ。彼女もエヴリンのことを心配している。
ジュディからエヴリンが居るかもしれない場所の情報を得た、H8メガビルディングだ。行ってみるとしよう。
エヴリンはメガビルディングのドールハウスで仕事をしていたらしい。
そこで従業員に少しお話をさせて貰った。
彼女は仕事中に客とのいざこざを起こして以来ここには来ていないらしい。仲の良かった従業員は事務員からオスロだかオオサカに行ったと聞いたらしい。
次はボスとお話だ。
エヴリンはフィンガーズとやらのドクに修理だか売られたのだかして送られたらしい、たらい回しだな、手間かけさせやがって。
ちなみに、ドールハウスに入った時に武装は預けた。護衛共はゴリラアームによって軽く撫でてやった。
……クソっ!立ちくらみだ!Rericの動作不良だ……こんな調子じゃあ目的は果たせない……
こんな時にジョニーが協力したいと言い出した。
「ソウルキラー」「神輿」「アラサカ」。
アラサカはソウルキラーという技術を持っている。ソウルキラーを用いて魂を殺すとその魂の記録が「神輿」へと格納される。
「神輿」では精神の人為的操作が可能らしい……ジョニー曰くオレとコイツの問題はどちらも神輿に行けば解決できるそうだ。どこまで信用できるかどうかはわからないが十分検討する余地のある話……に思えた。
結局奴は過去にやったようにアラサカを潰すのが目的のようだ。そのためにオレを消すのではなくオレを利用することにしたらしい。
アラサカを潰すにはオルト・カニンガムという人物がキーになるようだ。
……どちらにしても今は神輿についてもオルト・カニンガムについても手掛かりはない、エヴリンの捜索を続けよう……