色のない緑色の考えは曖昧に記述する

色のない緑色の考えは曖昧に記述する

本・ゲーム・映画等感想レビュー及び雑記

小説

小説紹介・感想:十三不塔「ヴィンダウス・エンジン」止まった物が存在しない世界

君は「サイバーパンク」というジャンルを知っているだろうか?「ニューロマンサー」「ブレードランナー」「攻殻機動隊」「MATRIX」「マルドゥックシリーズ」などの「サイバースペース」に自身をAIのようにアクセスして手足のように駆け回ったり肉体を機械と…

小説感想・紹介:野崎まど「タイタン」今日も働く人類へ・働くとはどういうことか

2020年4月に発売されたタイタンを読むことに備えて過去の野崎まど作品を予習してきた。メディアワークス文庫のアムリタシリーズ、Knowだ。 「[映]アムリタ」から「2」までの一連のシリーズでは野崎まどの独創性とユニークさ、そして正解するカドやバビロン…

小説紹介:野崎まど「Know」

別に野崎まど週間というわけではないもののここのところ「[映]アムリタ」に始まり最新作の「タイタン」とひたすら野崎まどを読んでいた。 今回の記事の「know」は「タイタン」を読む前に読んでおくと野崎まどのSF感を知る助けになるだろう。何より純粋に面…

小説感想「マルドゥック・アノニマス5」ネタバレあり

今まで刊行されたものでもそうだったけれど バロットの精神が成熟してる(尊い) バロットが自分と似た境遇の子に恵まれない環境から抜け出せるように手を差し伸べたり、正しい道を示したりお姉ちゃんをしていたりマジで尊い。 1-3はイースターズオフィスが…

小説紹介:冲方丁「スプライトシュピーゲル」

シュピーゲルシリーズについて スプライトシュピーゲル 登場人物 鳳(アゲハ)・エウリディーチェ・アウスト 乙(ツバメ)・アリステル・シュナイダー シュピーゲルシリーズについて ※この項目はオイレンシュピーゲルと同様の内容です。冲方丁による複数の出…

小説感想・紹介:野崎まど「2」野崎まどのメディアワークス文庫作品集大成

前提作品の記事はこちら 野崎まど ある日メディアワークス文庫の野崎まど作品新装版がKindleのセールで半額近い値段になっていた。私は何の迷いもなくそれを購入した。既読作品もあれば未読作品もあった。だが私は一部の作品を読んだだけで読んだつもりにな…

小説紹介:冲方丁「オイレンシュピーゲル」なんか世界とか救いてぇ……

シュピーゲルシリーズについて オイレンシュピーゲル 登場人物 「涼月・ディードリッヒ・シュルツ」 「陽炎・サビーネ・クルツリンガー」 「夕霧・クングンデ・モレンツ」 「吹雪・ペーター・シュライヒャー」 「ミハエル・宮仕(ミヤシ)・カリウス」 最後…

小説感想・紹介:野崎まど「[映]アムリタ」

野崎まど 野崎まどという小説家を知っているだろうか?2009年に電撃小説大賞に新設されたメディアワークス文庫賞を受賞し新設されたメディアワークス文庫からデビューした作家だ。彼女は一作目からその悪魔のような才能を存分に発揮し、電撃文庫ではそのユー…

小説紹介・感想「2010年代SF傑作選1」

「2010年代SF傑作選」について 掲載作品 小川一水「アリスマ王の愛した魔物」 上田早夕里「滑車の地」 田中啓文「怪獣惑星キンゴジ」 仁木稔「ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち」 北野勇作「大卒ポンプ」 神林長平「鮮やかな賭け」 津原泰水「テルミン嬢」 …

小説紹介感想・百合「ツインスター・サイクロン・ランナウェイ」ガス惑星巨大ロケット百合

「アステロイドに花束を」に掲載された小川一水の短編、「ツインスター・サイクロン・ランナウェイ」が長編作品として3/18に刊行された。短編の時点でさえ濃密な世界観に強烈な百合だった本作は長編として編み直されよりその世界観を広げ密度を増し、より破…

百合=女と女の関係性 StrongもしくはWeak Yuri そしてさらなる根源

この記事を書くことになったには単純かつ深淵な経緯がある。ことの起こりはTwitterだ。 誰かSTRONG YURIとWEAK YURIに関して講義してほしい — ヵミュ (@camus_bdc) 2020年1月8日 そう、この一言からこの与太話は始まった。 大絶滅は実にweakでstrongだったよ…

小説紹介・感想「大恐竜絶滅タイムウォーズ」草野原々 

令和元年に生まれた怪文書=草野原々season2最終章「大絶滅恐竜タイムウォーズ」 以前に記事とした「大進化どうぶつデスゲーム」の続編に当たる作品です。当たってしまう作品です。それが「大絶滅恐竜タイムウォーズ」 前作の怪文書はこちらになります。冒頭…

小説紹介「大進化どうぶつデスゲーム」草野原々

平成最後の人類には早すぎた大怪作「大進化どうぶつデスゲーム」 デビュー作の短編「最後にして最初のアイドル」でハヤカワSFコンテスト特別賞、第48回星雲賞日本短編部門、第16回センス・オブ・ワンダー賞《未来にはばたけアイドル》(羽ばたくどころではな…

小説紹介・感想「息吹」テッド・チャン

テッド・チャン「息吹」 2019年に刊行された中でも抜きん出た傑作どころか、10年代を通して見てもテッド・チャンの「息吹」は類稀なる完成度を誇る。多くのSFファンが絶賛する出来だろう。有名所だけでも「ヒューゴー賞」「ネビュラ賞」「シオドア・スタージ…

小説紹介「PSYCHO-PASS関連書籍1 一期ノベライズ・外伝小説ASYLUM」

未見向けの紹介としてアニメのPSYCHO-PASSは紹介した。そのノベライズとしてPSYCHO-PASSは漫画と小説が多数展開している。 漫画だと常守監視官が主人公でその視点で描かれたの一期の漫画版「監視官 常守朱」全6巻一期以前の標本事件以前の執行官落ちする前を…

書く予定、書きたい作品 もしくはおすすめ作品

とりあえず思いつく限りで書いているので後から増えたり減ったりするかもしれない。順番は関係ない。この中の作品はおすすめなので適当に選んで見たり読んだりしてもいいかもしれない。 いい作品は共有していかないと。そしてその感想も欲しい。 おすすめ作…

小説感想「裏世界ピクニック4」ネタバレあり

「空魚、好き。大好きだよ」 この作品にはSDP(空魚 大好きだよ ポイント)が導入されています。このポイントが高まると鳥子はより性的に空魚を意識します。このSDPは初版の帯に由来しているのですが第2版以降は廃止される予定のようです。SDP帯をお求めの方…

小説紹介・百合「裏世界ピクニック」検索してはいけないものを探しに行こう

検索してはいけないものを探しに行こう検索してはいけないものを探しに行こう検索してはいけないものを探しに行こう検索してはいけないものを探しに行こう検索してはいけないものを探しに行こう検索してはいけないものを探しに行こう検索してはいけないもの…

作品紹介「ファイトクラブ」人生最高の瞬間を味わえ

「ファイトクラブ規則」 第一条 ファイト・クラブについて口にしてはならない。 第二条 ファイト・クラブについて口にしてはならない。 第三条 ファイトは一対一。 第四条 一度に一ファイト。 第五条 シャツと靴は脱いで闘う。 第六条 ファイトに時間制限無…

小説紹介:「アステリズムに花束を」平成最後にして最大の百合小説アンソロジー

令和元年は百合元年です 令和元年は百合元年です 1つ目 2つ目 3つ目 収録作品目次 「キミノスケープ」宮澤伊織 「四十九日恋文」森田季節 「ピロウトーク」今井哲也 「幽世知能」草野原々 「彼岸花」伴名練 「月と怪物」南木義隆 「海の双翼」櫻木みわ/麦原…

映画感想「ペンギン・ハイウェイ」

PrimeVideoに森見登美彦原作の「ペンギン・ハイウェイ」が新しくラインナップされた。 当時純粋だった私にとっては学生時代に刊行されたお姉さんと少年のペンギンを巡る不思議な物語だったのだが映像として見ると感想がかなり異なるものとなった。 「これと…

未見向け紹介:PSYCHO-PASSを見て色相を浄化しよう

ブレードランナーやニューロマンサーのような疾走感のあるSFの刑事ドラマ作品のアニメが攻殻機動隊以降にあっただろうか?私はそういった作品を知らない。いい線を行っているところであると「TIGER & BUNNY」と答える人も居るだろうがあちらはどちらかという…