色のない緑色の考えは曖昧に記述する

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本・ゲーム・映画等感想レビュー及び雑記

小説感想「マルドゥック・アノニマス5」ネタバレあり

今まで刊行されたものでもそうだったけれど

バロットの精神が成熟してる(尊い

バロットが自分と似た境遇の子に恵まれない環境から抜け出せるように手を差し伸べたり、正しい道を示したりお姉ちゃんをしていたりマジで尊い

1-3はイースターズオフィスが追い詰められハンターが組織を拡大していく物語だった。
ハンターの圧倒的で着実に勢力を増やしていく驚異とウフコックの苦悩が描かれてきた。
4巻ではバロットの現状やハンターの背景などが描かれ、ウフコックとの再会する例のシーンまで到達した。
正直ここまでシリーズについてきた読者なら泣きそうにもなるよね、アレ。

そして5巻では4巻で描かれたバロットの現状からバロットがウフコックと再会するまで、ハンター=シザースがバロットに反撃れど

 

バロットの精神が成熟してる(尊い

バロットが自分と似た境遇の子に恵まれない環境から抜け出せるように手を差し伸べたり、正しい道を示したりお姉ちゃんをしていたりマジで尊い

 

1-3はイースターズオフィスが追い詰められハンターが組織を拡大していく物語だった。

ハンターの圧倒的で着実に勢力を増やしていく驚異とウフコックの苦悩が描かれてきた。

4巻ではバロットの現状やハンターの背景などが描かれ、ウフコックとの再会する例のシーンまで到達した。

正直ここまでシリーズについてきた読者なら泣きそうにもなるよね、アレ。

そして5巻では4巻で描かれたバロットの現状からバロットがウフコックと再会するまで、ハンター=シザースがバロットに反撃される様やバロットとアビゲイルが家族になっていく様が描かれている。

ベル・ウィングもそうだけれどバロットも彼女の置かれた状況を理解して、彼女の辛さや戸惑いを理解した上で少しずつ距離を縮め心を開かせていく描写はこれ本当にマルドゥック?と思わせるほど癒やされる。これはWeekYuriだね!

導かれる側から導く側へ、守られる側から守られる側へ、バロットは精神も、肉体も、人間として成熟してきた。
彼女の過去であるストリートで育った経験と事件のあとにベル・ウィングと共に得た普通の生活の経験、2つが彼女を立派な人間へと成長させた。
そしてついに、ウフコックを助け出す時点で解ってはいたが、成人した彼女の声が取り戻された。マルドゥック・スクランブル刊行から10年以上、作中では6年、彼女の声がイースターによって取り戻されたんだ。
ウフコックとの再会と共闘も、エイプリルとの家族愛も心に来るものがあったが、やはりこの巻で一番の注目点であり、私達の胸を打つのは彼女が奪われたもの全てを彼女が取り戻したということだ。
5巻ではウフコックを発見する経緯までは描かれなかったモノのそれまでの道筋は既に示された。6巻では闘いの準備を整えた彼女はようやくハンターと直接対峙することになるのだろう。

ハンターサイドはハンターサイドで気味が悪い。
ハンターが、というよりもシザースが、だが。

シザースはどこまで街に食い込んでいるのか、どこまで勢力を広げているのか計り知れないものがある。

それに属しながら対抗を始めたハンターも恐ろしい。
ただでさえ彼の「共感」を与える能力も恐ろしいが、シザースに精神的に対抗できるというだけでさらなる脅威になりえる。
クインテッドがこのまま分裂せずにアンダーグラウンドから表へと勢力を広げてしまった時に三つ巴となってしまうのが一番恐ろしい。どこまで戦火が広がるか想像もつかないからだ。

続きは気になるがやはりまた一年またされることになるだろう。
今までだって待ったんだ、命が来年もあると信じてまた待つことにする。

アノニマスをここまで読んできて思うことはやっぱりスクランブル・ヴェロシティと読んで読者だけが知っている事実が一点にむかって収束していくのはやっぱり気持ちいいものがある。

マルドゥック・アノニマス 5 (ハヤカワ文庫 JA ウ 1-22)