色のない緑色の考えは曖昧に記述する

色のない緑色の考えは曖昧に記述する

本・ゲーム・映画等感想レビュー及び雑記

ゲーム感想「大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟」ネタバレあり

前回の記事はこちら

大逆転裁判2クリアしました……大変尊かったです。特にバンジークス家周りが。

作風やらシステム周りは基本的に1と変化ありませんでしたが1の時点で十分に完成されていたシステムだったので2も存分に楽しめました。
1は3章までチュートリアルだったのが今回は1章の龍太郎がシステム的にもシナリオ的にもチュートリアルになってたのはいい表現方法だなって思いました。そりゃあ龍太郎なら振り返りも必要だよね。龍太郎だもんね。

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龍太郎は大変健康にいい。葉織ちゃんと仲が大変よろしいのも素晴らしい。

 

1で明かされなかった事実もキチンと筋道立てて開示してくれたしシナリオ自体も大変上質でやっぱりミステリィ好きには是非とも体験してもらいたいなって感じでした。
特に1からの3・4・5章の怒涛の真実ラッシュは素晴らしかった。
「死神」「倫敦の闇」「アイリス・ワトソン」「バスカヴィル家の犬」
1で開示された情報からドンドンと情報が繋がっていくのは、知的好奇心を存分に満たしてくれて快感でね、いいよね、そういうの。

それでさ、実の親を踏まえてアイリスからそれぞれを見たらさ……
ナルホド:お兄ちゃん
寿沙都:お姉ちゃん
ホームズ:パパ
寿沙都パパ:パパ2
バンジークス検事:本人は知らないけど叔父さん

じゃん!寿沙都さんアイリスちゃんにちゃんと淑女(レデェ)としてのマナーを仕込んであげて!アイリスの周りには女っ気が無さすぎる!野郎だらけな上に育ててるのがホームズでアイリスの将来が心配で仕方がない……

あとね、従者、従者も大変よろしかった。望んでいる形では無かったけれどもまた二人が活躍してる姿が見れただけでも私として大変満足でございます。
従者はED後倫敦にバンジークス検事を師として仰ぎ検事としての腕を磨くらしいから大逆転検事の発売待ってます。バンジークス検事と従者の二人の物語に最終章でナルホドが出てきたら完璧じゃない?完璧。

 

今作はサブキャラも1より個人的には気に入ったキャラが多かったのも良かった。
ジーナちゃんは続投してる上にメイン級に格上げされててトビーも大活躍で可愛いしアイリスは助手役として活動までしてくれる。
ドビンボーくんも学生時代のバンジークス検事がどんな風に過ごしていたのかの想像力を掻き立ててくれるしローザイクさんとロイネは可愛い。

若干鬱陶しいキャラも居たけどね……1章の豆籾、2章のペテンシー、4章のゴシップとか……
これは制作側が意図してやってるはずだから当然なんだけどさ……

 

あとはやっぱり死神周りだよね。バンジークス検事の苦悩は大変見ていて潤う。推せるキャラが苦悩したりだとか苦難に立ち向かったりする姿は大変尊い。従者も同じく尊い。二人が問答したりするのをもっと見てみたいからやっぱり大逆転検事、ほしいよね。移植が新作へのフラグになればいいなぁとかこっそり考えてる。

 

1・2と通して大逆転裁判をプレイしたけれどもシナリオ・キャラクター・トリックと総じて完成度が高くて感動した。新作が出るなら是非とも予約して買いたいくらい。
素晴らしい作品を布教してくれてありがとう……VA-11 Hall-Aをそのうち送りつけるので覚悟しておいてください。大丈夫、そんなに長い作品じゃないしシステム的には簡単だから……

そういえば結局明らかにされなかったけどナルホドとスサトさんは結婚するのかな……逆転裁判の主人公がナルホド子孫ってことは結婚することは確定だと思うけど作中ではそういう情報何も無かったよね。
でも最後らへんでわざわざ帰国していいか聞きに行ったり、一緒に帰国してほしいって言おうか悩んでる辺りまあそういうことなんだろうけどね……

小説感想「裏世界ピクニック6」ネタバレあり

3月に書いてたはずなのに下書き行きになってて投稿できてなかったことに今気が付きました。土下寝しながら供養に出しておきます。

例年なら新刊の刊行から次が出るまで1年空いていたのですが今回はなんとたった3ヶ月での新刊です。素晴らしい。

あっという間に読み終わってしまった。

 

前巻の事も踏まえて空魚の意識が随分変わってました。具体的に言うと鳥子のことをそういう相手としてかなり意識していて可愛い。あと空魚は「普通の大学生」とか言うな。死んでも言うな。記憶喪失でも言うな。反社化だって相当進行してるぞ空魚!

 

一方鳥子のほうはワンコ化が進行しています。今までも空魚へのリアクションの節々に見えない尻尾をぶんぶんと振っているようなところはありましたが今作はかなり顕著になってました

でもこの2人が付き合ったら尻に敷かれるのは空魚の方なんだろうなぁってどうしても思わないでもない。多分鳥子はベットヤクザ。

 

前巻の最後に拾ってきた少女はまだイマイチわかりませんが挿絵が美少女でした。黒髪ロングの少女、少女のくせに顔がいい、悔しい。

少女についての考察も今出てる情報だとなかなか進まないけどもしかして冴月から切り離された人間性なのかなぁって思わないでもない。冴月って相当顔が良くて黒髪ロングらしいし

 

勿論今作でもありました、恒例の小桜虐。やっぱり小桜には幸せになって欲しいけど酷い目にもあってほしいよね……わかれ。

この感じだと次巻から少女は小桜邸の住人になりそうな気がするしまた厄介事が増えるよ!やったね小桜!子供嫌いって言ってたけど住人が増えて寂しさは減るよ!

 

シナリオについては今作は短編連作ではなく初の1つのファイルで1冊の長編でした。先行公開にあった通り「寺生まれのTさん編」アニメだったら劇場版スケール。

記憶喪失空魚もゼミ空魚も面白かったし2人のやり取りも今までより密になってて嬉しい。くっついたり離れたりはこういう関係性だと外せないよね。

カラテカがいい感じに絡んできて2人の関係を揺さぶったりするのもまたいい。その調子だカラテカ!もっと推せ、そしてついでになっつんとくっつけ(なっつんは原作でもアニメでもガチレズな感じだけどカラテカはそういう意識とか微塵も無さそうだし空魚に憧憬を抱いてるしその辺実際どうなんだろ……)

潤己るなも作中で復帰してきたのがいい感じ。良くも悪くも3巻以降宙ぶらりん状態だったからね。一日中ネトフリだけで暇つぶしさせられてるのは可哀想といえば可哀想だけどやっぱり自業自得かなって思っちゃう。るなについては今後に期待。

次巻はやっぱり年末なのかな。そうだといいな

ゲーム感想「大逆転裁判 成歩堂龍ノ介の冒険」ネタバレあり

ひさびさのまともな感想記事更新です。
今回はTwitterのフォロワーさんに布教していただきましたSwitch移植版大逆転裁判1&2の大逆転裁判 成歩堂龍ノ介の冒険」になります。

正直いままで逆転裁判シリーズ……というよりもこういったアドベンチャー形式の作品はあまり遊んだことが無くてイマイチどういう作品なのか知らなかったのでだいぶ新鮮な体験でした。

 

大逆転裁判について

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逆転裁判は2001年にCAPCOMから発売されたGBA専用ソフトで多数のナンバリングや外伝作品、移植、外伝、アニメ化等が制作されている人気シリーズです。
大逆転裁判はそのシリーズの本筋からは外れた外伝作品で逆転裁判シリーズの主人公「成歩堂龍一」の先祖「成歩堂龍ノ介」が主人公となる過去を描いた作品です。
逆転裁判シリーズの日本から舞台を移し大英帝国の倫敦が主な舞台となり大正浪漫溢れた作品になります。

 

感想

シリーズ未体験でどういった作品かの前調べも無く始めたので以外だったのですが(ナンバリング作品や逆転検事は知りませんが)かなり本格的な本格ミステリーで推理小説をそのままゲームにしたような作品でした。
エラリー・クイーンなどの有名ミステリィに見られる作者からの挑戦状を証拠を集めるところから始め状況や人物の発言を元に推理し、法廷で矛盾を紐解きつつ真実をあらわにしていく、一種のアハ体験的な楽しさがありました。
後期クイーン問題のようなものは無くキチンと道筋も立っており知り得た情報の中から真実へと辿りつけるようにゲームを作るというのは簡単なことじゃなかったろうなと思います。

このゲーム、大変キャラクターの個性が立っていてお気に召しました。主人公・スサトさん・ホームズ・アイリス・「死神」そして容疑者から承認・陪審員までほぼ全てのキャラに専用のモーションが多数用意されいたり3Dモデルがヌルヌル動いたりと手がこんでいるのもそうですがメインキャラのね、性格がよかったよね。ナルホドーはどんな窮地に立たされてもめげずに真実を探求し続けるしホームズは奇人変人を絵にしたような食わせ者だけどひょうきん者でもあってヤク中じゃない。
スサトさんは最初から少しずつ見え方が変わってきてちょっと間が抜けているところがあったり夢見がちだけど真面目で律儀だし最高の法務助士なのですから。袴姿、いいよね。
「死神」ことバロック・バンジークスについてはなぁ……公正な人物で柔軟な思考って人物なのはわかるんだけど1だけだと掘り下げが無くてイマイチちょっとわからなかった。でもイケメン。あと死神さん貴方毎回割ってる聖杯とボトル、それどっから出してるんですか……

シナリオも2前提ってことがわかっていればかなり質がいいよね。一作で完結する内容だと思って3DS版発売当時に買った人はちょっと可哀想かな……
若干……というか3章が終わるまでが(つまりほぼ半分)チュートリアル感あったのは否めませんが。
特に3章から5章に繋がっていくところとか特によかった。メグンダルに復讐しようとして同じようなモノに成り果ててしまうところはちょっと悲しいけどね……

あとは亜双義なぁ……亜双義の活躍をもっと見たかったんだけどまさか1章で活躍が終わるなんで微塵も予測できなかった……亜双義と一緒に捜査をしたり裁判に臨むものとばかり思ってたからかなりショックだった。もっと亜双義って人物を知りたいよ……

一作目が終わって残った謎。「亜双義の野望」「倫敦の闇」「死神について」「ハート・ヴォルテックス」「ジェゼール・ブレッド」そして「ワトソンとアイリスについて」は多分2で掘り下げられていくんだろうね。
続きが楽しみだけど同じタイプのゲームを続けてやると個人的に少しダレるので他の短めのゲームを挟んだら続きの「大逆転裁判2 成歩堂龍ノ介の覚悟」も勧めていきたいと思います。ナンバリングタイトルも興味が湧いてきたのでそのうちセールになってて余裕があるときに買いたいと思います。

 

近況報告:2021上半期

サイバーパンクの記事の更新を最後にしてからだいたい八ヶ月。
最後に記事を更新してからサイバーパンクを近接特化のキャラで2周目を遊び、トロコンをしました。サイバーパンクの後はアサクリヴァルハラプレイし終わったら記事にしようと思いながらやっていたのですが年末に体調を崩し大腸炎で下血をし、親が膵臓癌になったり諸々の事情で車の免許を取るために教習所を通ったりと、まあ色々ありました。

不運続きの中にもいいことはありました。PS5の抽選は尽く外れていたのですがなんの気なしについでに応募したSwitchの抽選が当たりましてGCぶりにNintendoハードを手に入れました。
専売ソフトでやりたいソフトも色々ありましたし11月発売のメガテン5までには買いたいと思っていたので大変嬉しかったです。

そんなこんなで年頭からぽんぽん痛くしながらもSFのアンソロを読み漁ったりPS4ではアサクリヴァルハラ・ボダラン3・Far Cry3・ゼロゼクスコレクション・ライヴォルト三作・シャドウオブウォーなどを、Switchではマリオ3Dワールドゼノブレイド2・FE風花雪月・グノーシア・クラッシュ・バンディクーリマスターなどを遊んでいました。
いいですね、Switch。ごろごろしながらでもゲームができるのはかなり便利。特にRPGや2Dアクションのインディー系なんか相性最高でした。DeadCellsとクラッシュ、Civ6なんかだらだら遊び続けられて止まりません。
風花雪月もとりあえず3学級を1周ずつはしましたがまだまだ遊び足りない感じですししばらくしたらまたプレイして黒鷲の教団ルートやら他のルートで理解を深めた上での青獅子やらやってみたいところです。

ゼノブレイド2も風花雪月も記事にしたいですし各種アンソロも記事にしたいところですが如何せん忙しかったのと一度筆をおいてしまうと中々手が伸びないものでこんなにズルズルと放置が続いてしまいました。そろそろ更新を再開しないといけないなと思いとりあえず直近の出来事として記事に起こした次第です。

とりあえずは時間があるときに風花雪月の記事と布教していただきましたSwitchの大逆転裁判1&2の記事を作る予定です。

サイバーパンクプレイ日記:ナイトシティでの暮らし7終

ジョニーと少し話をした。あいつはオレに手を貸してくれる代わりにローグの目の前でスマッシャーを打ちのめしてくれと頼んできた。オレとアイツは既に一蓮托生だ。オレはアイツがオレのために消えてくれる代わりとしてそいつを受け入れることにした。

ただし、ジョニーはオレにローグと話す間だけミスティのくれた侵食を進める赤い薬を飲んで一時的に肉体を明け渡せと要求してきた。信じていいものだろうか?

 


ハナコから連絡が来た。どういう心境の変化かは知らないがオレの話を信用することにしたらしい。

ローグの準備は間に合わなかったようだ。ハナコと取引をしよう。

 


ハナコの話では前当主サブロウ・アラサカはアラサカという血縁を尊んでいたそうだ。その象徴としてハナコは育てられ、兄は違う待遇に怒り反旗を翻した。

ハナコに一度は救われて起きながら二度目の反乱を起こしサブロウを手に掛けたというわけだ。


サブロウ・アラサカの死についての情報は細部のディティールが合わないことは既に幹部の共通見解だったそうだ。そこにオレが現れた。

頭のRericと合わせるとオレの話は十分信頼に値すると判断した、そういう話だ。


彼女は神輿の場所を伝えてきた。

正確には衛星軌道上にある神輿へのアクセスポイントの場所だ。それはアラサカタワーの地下にあるらしい。

彼女はその正確な位置や侵入方法の情報と引き換えに父の仇討ちを依頼してきた。ヨリノブを殺せというわけではない。近く開かれる役員会の場で、役員の前で、オレに証言をしろということだ。


オレには手持ちの時間が少ない。選べる手がない以上、やるしかないだろう。失敗してもそこで死ぬか、オレの人格が死ぬか、早いか遅いかの違いしかない。


店から出ようとしたオレの意識はRericの侵食進行による副作用で途切れた。


目が覚めるとジョニーはオレの身体をドクのヴィクターのところへと運んでいた。余計なことをしないでいてくれてありがたいこった。


ドクはオレに告げた、次発作で倒れた時はもう死ぬかもしれない。次はないぞ、と。

そしてオレにジョニーに身体を明け渡すか、オレとして最後まで抗うかの選択肢として赤と青、2つの薬を与えてくれた。

考えるまでもない、オレは最後までオレとして生きてやる。何をしてもだ。

 

 

 

ハナコに決断を連絡した。

ハナコはヨリノブによって軟禁されてしまったらしい。彼女をデートへと連れ出してやることにしよう。


オレはアラサカのリムジンでヨリノブの邸宅へと辿り着いた。いや、気が付くとそこに居た。砂時計の砂はもう残り少ない。急がなければ。


お姫様を護っている騎士たちに対処しよう。本領発揮だ。


お姫様を救出してヘルマンの手配したAVに乗り込み、アラサカ本社に乗り込んだ。それもVIP用の入り口から堂々とだ。実質的な社長を味方を引き込んでいる今、ヨリノブ=タカ派の私兵しか敵はいないようだ。あとは中立派の動き次第か。


ハナコは社長室から神輿のアクセスポイントへとオレを連れてきた。

信じられないことに、サブロウ・アラサカは神輿へと自身の人格コントラストを保存し、しかもそれを動かす技術まで保有していたようだ。半永久的な不死、それを既にサブロウは実現していたようだ。


ハナコは、最初からサブロウの人格の手先だったというわけだ。そりゃあ自分に忠実になるように丁寧に育て上げたわけだ。彼女が社長の座を引き継いでもサブロウは裏から会社を動かし続けることができる、それはアラサカ社の栄華が続くことを意味する。


神輿のアクセスポイントからハナコが何かを持ち出し、オレたちは役員会の会場へと移動していた。またそこで発作が起きた。まだだ、まだこんな中途半端なところで終わらせるわけにはいかないというのに。

発作は意識を失うほどのものではなく役員会への場へと持ちこたえる事ができた。

役員どもは揃って無能なようだ。それとも骨抜きなのか?真実を聞いてもまだ真実と向かい合うことすらできないようだ。

サブロウの人格コントラストを目の当たりにして、ようやく役員どもはハナコに従うことにしたようだ。


ようやく場がまとまったと思ったその時、アラサカの防衛システムが作動しヨリノブの私兵が役員共へと一斉掃射を始めた。オレは冷静に対処し私兵共を逆に一掃してやった。


ヨリノブはアラサカタワー上層にいるようだ。おそらくそこにはアダムスマッシャーも待ち構えているだろう。ハナコは無傷のヨリノブをご所望だ。わがままなお姫様だこった。


私兵に対処しつつ上層へと上がっていくとアダムスマッシャーが待ち構えていた。卑怯にも私兵まで連れて来やがった伝説のソロだが、ここらでロートルにはくたばってもらった。

なんて話はない、撃てば死ぬならなんとかできる。

 


ヨリノブは目の前なのに気分が悪い、Rericが動作不良を起こして嫌がる。

頼む、あと一歩なんだ。目の前にヨリノブが居る。あいつを捕まえてお姫さんに渡せば、あとはなんとかなるかもしれないんだ。オレはオレのままで居たい。

 


ヨリノブはサブロウを恐れていたようだ。既に戦意すら喪失して倒れ込んでいた。

ヨリノブはサブロウの人格コントラストがある限りアラサカが存続すると信じていたようだ。いや、事実存続することだろう。王者として世界に君臨し続けるはずだ。

 


だが計画も崩れ去った。アイツにはもうなにもない。

あとはオレの頭をどうにかするだけだ。

オレはヘルマンに連れられエレベーターを上がり、そして……オレはジョニーと対話していた。ジョニーとオレはいろいろな最後の話をし、最後の別れ告げた。

 


オレは、オレはどこから、いつからオレで、どこまでオレだったんだ?

サイバーパンクプレイ日記:ナイトシティでの暮らし6

パナムが戦闘機バシリスクの払い下げ計画を見つけたと連絡を寄越してきた。

パナムはそいつを横取りする気だ。

 


計画は簡単だ、バッドランズを輸送しているトラックを列車と車を用いて封鎖し強襲しトラックを奪うだけだ。

頭数もそれなりにいる。なんとかなるだろう。

 


パナムについてるクランの連中は今のリーダー=ソウルが気に食わないらしい。ソウルを利用してパナムをリーダーとして育て上げようという魂胆のようだ。

 


列車の制御には成功した。あとはコンボイの到着を待つだけだ。少し休息を取っておこう。

 


コンボイがやってきた。オレの出番だ。

コンボイの護衛は数も練度も大したことが無かった。所詮は中古品の払い下げだからだとたかをくくっていたのか?

 


結果的に強奪自体はつつがなく成功した。

だがパナマとソウルの間には深い溝ができた。この先どうなるか見ものだな

 

 

 

ジュディがドールハウスをモクシィを傘下に収めるための計画が固まったらしい。手伝いに行こう。

 


ジュディはドールのチップを改良し反射速度をソロ……つまりオレのような戦闘のプロのような状態にまで高める改造を施していた。

このチップの改造は最高にクールだ。オレが全力で殴りかかった程度なら受け流せるレベルまで反射が向上している。これなら実用に耐えうるだろう。

 


計画はドールハウスを制圧するだけでは増援が来て殲滅されて終わりだ。もっと根本を叩かなければならない。相手はタイガークロウズの幹部、ヒロミ・サトウだ。

 


ヒロミはH8メガタワーの上層に住んでいるそうだ。

ヒロミのほうはオレが、ドールハウスのほうは改造チップを装備しているドールのトムとロキシーが担当になる。

問題はヒロミのところにどうやって辿り着くかだ。

 


作戦の血行はヒロミとの面会を取り付けることができるかもしれない何日後かだ

 

 

 

パナムがバシリスクを稼働可能な状態まで整えた。一山当てるつもりだ。相乗りさせてもらおうじゃないか。何よりも戦闘機に乗れる機会なんてそうそうあったものじゃない。こういうのに乗ってみたかったんだ。ノーマッドだけ、ってわけじゃないだろうけど、野郎ならだいたいこういうヤツ、好きだろ?

 


……ウソだろ?昔ながらの操縦桿とかは無いのか?操作は基本全て没入して脳でコントロール

マジかよ……ロマンの欠片もないな。旧型っていうからああいうのを想像してたんだけどな……

 


ロマンはないが、これはこれで最高だな、病みつきになる。

ホバークラフト式の操縦役と火器管制役の二人乗り戦闘機バシリスク

思ったよりも動きがなめらかだ。火器も輸送艇にしてはいいものを積んでる。

 


……制御役と火器管制役は神経をリンクさせる。それは二人の神経を、お互いの神経を繋げ、感覚を共有するということだ。オレが感じたことパナムが感じ、パナムが感じたことをオレも感じる。この状態での行為は今までの行為とは一線を超えている。まるで次元が違った。中毒になりそうだ。

神経のリンクにこんな使い方があるなんて知らなかった。

 


二人で蕩けている場合じゃない。ラフェンがキャンプに攻撃を仕掛けている。今こそバシリスクに活躍してもらう時だ。

ま、斥候程度の人数だ。前戯にもならないがな。

 


ソウルは危険を顧みずにファミリーを守るパナムをようやく認めた。

今日からパナムもソウルと並ぶリーダーだ。今日はめでたい日だ。パナムはこれからどんどん集団を率いるものとしての才能を開花させていくことだろう。

パナムは、パナムとソウルのクランアルデカルドスはオレのクランではないがオレを認めてくれている。ファミリーに入ることも勧めてくれている。

彼らはいつでもファミリーのようにオレを扱ってくれるだろう。Rericについてのことが終わったら、またノーマッドに戻るのもいいかもしれない。

そうやって考えているとオレの意識はそこで途切れた。

 


どうやらチップの不具合で意識を失っていたようだ。何時間も気絶していたらしい。

そろそろパナムにオレのことを説明しないといけないだろう。ファミリーになるかもしれないならなおさらだ。

 


彼女にオレの事情を説明した。

何故オレが今彼女とファミリーになれないかこれで彼女も納得してくれるだろう。

彼女は何か力になれないかと心配してくれていたが、多分できることは無いだろう。アラサカに喧嘩を売るよな行為に巻き込む気もない。

惜しいがしばらくは彼女とはお別れだろう。頭のコイツの件が片付いて、まだ生きていたらまた会いたい。

 

 

 

タイガークロウズの幹部ヒロミとご挨拶の時間だ。

メガビルの上層にあるヒロミのお宅には整備フロアから忍び込むことになった。その辺りの図面はジュディが入手してくれた。

整備フロアから屋上に上り最上階にあるヒロミの部屋のバルコニーへと侵入した。警護が何人か居たが熟練のゴリラアーム使いのオレの前にはただの板切れと変わりない。

 


ロキシーが余計な真似をしやがった。他のタイガークロウズ幹部二人も同席させて自分がヒロミの後釜になると言い出した。

オレはタイガークロウズの幹部三人を処理した。マイコには余計なことをした代償としてこの街を出るように言ったがオレに向かって刃を向けてきた。仲間であったとしても、それは許されない行為だ。計画を狂わせた上に仲間に刃を向ける。正当防衛だ、許してくれジュディ。

 

 

 

タケムラとのアラサカパレード襲撃計画について進展があったらしい。

パレードを計画したのは手をかけた本人だというのが皮肉な話だ。

タケムラはハナコ様の山車まで上から飛び乗るつもりらしい。

アラサカ工業団地に保管されている山車にウイルスを予め仕込んでおいて当日にセキュリティを切って乗り込む、そういう寸法らしい。

当日はオレがスナイパーを排除し、監視カメラをタケムラが操作して目を盗むという話だ。

 


やはり身体を張るのはオレか、何せオレの頭の死活問題だからな。しょうがない、我慢しよう。

 


山車には、ハナコ様に直接話しをつけるのはタケムラがやるらしい。正直自殺行為だが、やるしかないのはたしかだ。一か八かだがそれに賭けるしかない。

 


タケムラはチバシティの出身らしい。あのチバシティだ。サイバーウェアやインプラント技術の最先端を行く街、チバシティ。

あそこには確か有名だったランナーがいたはずだ。

 


正面からカチコミをかけて正面から突破し山車にウイルスを仕込んだ。当然正面から堂々と帰った。

次のタケムラの連絡を待とう。

 


連絡が来た。作戦の決行だ。

オレは順番に配置についているスナイパーを一人ずつビルの合間を飛び回り始末していった。そしてその場のネットワークを始末しているネットランナーもだ。

その時ハナコの直属の護衛オダがオレを襲った。ヤツはオレにアイサツをすると両手から展開させたブレードで斬りかかってきた。

ゴリラアーム使いのオレはそれを回避しては殴り回避しては殴りと攻撃を繰り返した。そうしているうちにオダはなんとニンジャめいたジツを使い始めた。煙幕をその場に発生させて消えたんだそして移動しながらのスマート武器による追尾射撃。ヤツは今まで戦ってきたどんなソロよりも優れたソロだった。

相手が射撃武器を出すのであればオレも容赦はしない。ライトマシンガンをばら撒き跳弾で相手の位置を把握しヤツを補足する。そしてオダのもとへと飛び込みショットガンを何発も打ち込んだ。

流石のオダもカスタムされたダブルショットガンには耐えきれなかったようだ。ヤツは古強者だ。アラサカの猛者だ。

ただしナイトシティではオレのほうが強かった。鍛え上げた筋肉と技術の粋をもって作り上げた武器の勝利だ。

 


そんなことをしているうちにタケムラはハナコの山車へと侵入していた。ネットランナーを排除したのでカメラでセキュリティを切り護衛設備の電源を落としてやるとタケムラはハナコに声をかけた。

聞く耳を持たないハナコをなんとタケムラは射撃した。

タケムラから逃走後の合流場所の支持が来た。あのコンチクショウはハナコを拉致しやがったんだ。これで話し合いができるとはいえ、問題をさらに拗れさせやがった。

 


ハナコはオレの話を信じようとしない。社長を殺したのは実の兄だということを微塵も疑っていなかったようだ。真実を話していると周囲が急に騒がしくなりだした。そして道路側の壁が破壊され、アラサカの部隊が突撃してきた。

オレは偶然にも床が崩れその隙を逃さずにその場から逃げ出した。途中にアラサカの部隊が何人かに遭遇したが間隙を縫うようにゴリラパンチで卒倒させ逃げ切った。

 

 

 

命からがら逃げ延びモーテルに落ち着いたオレのもとに謎の女がやってきた。不審な動きをしたらすぐに引き金を引くつもりだったが、その女はドールのようだ。

ハナコの代理として来てハナコがそのドールを操っている。オレと対話をしに来た訳だ。

 


ハナコはオレのことを信用して取引するつもりになったようだ。ハナコはオレと取引をし、神輿について話してくれた。

取引に応じてくれるならば、オレもハナコに手を貸してやろう。アイツはタケムラの仇にもなった。ジャッキー、タケムラ、二人をオレから奪いやがった。

見ていやがれ、一杯食わせてやるぞクソ野郎。

 


モーテルから出てRericの不具合でオレはすぐに倒れた。疑問がある。

合流場所から出たオレはRericで倒れ気がつくとモーテルに居た。今回も目が覚めると別の仮宿に移っていた。意識が無くなっている間、オレはどうなっている?ジョニーの侵食が進みつつあるのか?もしかして、ヤツがオレの体を……?

サイバーパンクプレイ日記:ナイトシティでの暮らし5

外からナイトシティに戻る途中、パナマから連絡が入った。何やら緊急事態らしい。

連絡を受けすぐにパナマのクランに駆けつけるとソウルというクランの仲間がクランの敵に捕虜にされているようだ。救出の報酬として上物のスナイパーライフルを提示された。

ノーマッドは助け合うもので、オレはクランを抜けても、ノーマッドだ。報酬は貰うが、そんなものが無くても助けてやる。


作戦は簡単だ。パナマが援護を行いオレが潜入する。

斥候としてミッチが光学迷彩を装備したドローンを飛ばしてくれた。

敵の拠点のだいたいの情報は掴めた。オレ一人で忍び込んでなんとかできそうだ。


最初は監視の目を盗み忍び込んで静かに終わらせようと思ったが途中で気が変わった。この程度の雑魚ならオレ一人でも全滅させられる。させられた。

パナマは地下に閉じ込められていた。

ソウルを助け出しパナマの運転で逃げ出した。運良く嵐が拠点を直撃し追撃してきた敵も撃破し、逃げ切ることができた。

今度こそパナマの仲間を誰一人失うことなくやり遂げることができた。


救出し、逃げ延びることにも成功したが、嵐に巻き込まれて偶然辿り着いた家で立ち往生。

嵐が明けるまでここで休むことになるだろう。

パナムとソウルの仲裁も、クランの問題についてもなんとかなった。ハブーブに。


嵐と夜が明けた。パナムからはスナイパーライフルの他にご褒美を頂いた。

今後の関係の発展に期待しよう。彼女が臆病風を吹かせるようならこちらから踏み込んでもいい。

ジュディーのことは別腹だ。

 


ジュディと一緒にクラウド……ドールハウスのオーナーとお話だ。エヴリンのようなことが二度と起きないように、クラウドをモックスの傘下に収めに行く。


話にならなかった。あの女はただのお飾りだ。あいつこそタイガークロウズのお人形だな。

他の手段を考えるしかない。ジュディは他のドールを引き込めないか話してみると言っていた。連絡を待とう。

 

 

デラマンから謎のメッセージが届いている。

ウイルスにでも感染したか?確認しに行こう。


デラマンは乖離した人格たちの反乱で崩壊の危機にあった。解決方法は3つ、破壊すること、リセットすること、人格を統合することだ。

人格の統合なんて高度な技能はオレには無い。デラマンを破壊すればサービス自体がたち行かなくなる。

オレはデラマンのリセットを行った。デラマンはバックアップにより復旧したが、オレのことは忘れてしまったようだ。初めましてデラマン、オレはお前の記憶です。


リセットする前のデラマンはオレにデラマンの分身とも言える車を一台報酬として残してくれていた。大切にするよ、今日からお前がオレのデラマンだ。

 

 

 

エヴリンと取引をしていた組織=ブードゥーボーイズのボスと接触するために依頼を受けた。

繁華街となるはずだった地区の目玉にして、開発計画失敗の象徴グランドインペリアルモールに出入りが確認されたハイテク機器を積んでいるバンを探るという仕事だ。

奴らに目と耳を接続し監視されている状態での仕事になるのは気に食わないがボスに会うためなら仕方がない。

新しく仕入れた強化腱のサイバーウェアも試してみよう。空中でさらに飛び跳ねる事ができるなんて映画みたいで楽しそう……いや、潜入には便利そうだ。


潜入自体は簡単だった。高所から暗殺もできるようになったことだしな。

問題はネットランナーだ。相手にネットウォッチのランナーがついていやがった。筋肉達磨の女にネットウォッチ肉体とハッキングの同時攻撃。ICEが無ければニューロンがこんがりとベーコンみたいになるところだ。


ただ、ネットウォッチ共を潰すために使い捨ての駒にしやがった今回の雇い主は許されない。


雇い主のところに戻ると本当のことをゲロしてくれた。雇い主はブードゥーボーイズのボス「ブリジット」がネットウォッチによって凍結させられているのを解除するために今回の作戦を立て、「偶然にも」オレは死にかけたらしい。笑わせるぜ。

結果的にブリジットに相見えることが出来たからいいものの……


覚醒したブリジット=エヴリンの雇い主はやはりチップについて把握しているようだ。今回オレがニューロンを焼き切られなかったのもRericのおかげらしい。まずはRericについて話を聞かせてもらおうじゃないか。

 


ブリジットはまずは今のRericのチェックを要求してきた。言いなりのモルモットになるのは癪だが今は手段を選んでいる余裕も時間もない。

見せてやるとしよう。


ブリジットはサイバー空間に没入、それも更に深部に没入できる機材と手段を持っていた。それを使いジョニー・シルヴァーハンドの記憶痕跡と接触するという。

オルトと接触しアラサカを崩壊させるというジョニー・シルヴァーハンドと同じ目的のようだ。


ブードゥーボーイズは「変革」とやらが来たときにブラックウォール?から見を守るためにオルト・カニンガムを必要としているようだ。

なんでも普通のICEでは防ぐことのできないカタストロフが迫っているんだとか。なんだそりゃ?黙示録でも起きるっていうのか?

ブラックウォールについて詳細を求めた。所謂超高度AIの反逆、とでもいうことが間近に迫っているらしい。

AIがチューリング機関の目を誤魔化せるとでもいうのか?


オレはマトリクスに意識そのものを没入させた。

オルト・カニンガムのデータを発掘させるためにジョニーとのリンクを強化させられると、オレはジョニー・シルヴァーハンドになっていた。これは、ジョニーの記憶のエミュレートだ。

オルト・カニンガムはジョニーの女だったのか。それもかなり親密な。どうしてこの女がアラサカやブラックウォールに対する驚異になるんだ?そこがわからない。


オルト・カニンガムはマンティスブレードで貫かれたジョニー・シルヴァーハンドの目の前で拉致された。それがどこに所属していて雇われているのかは知らないがおそらくはアラサカだろう。オルトが驚異になると知っているのであれば当然そういう結論になる。

ジョニーを貫いたマンティスブレード、サイバーウェア、テックは当時最新のモノだった。ジョニーを助けたトンプソンはアラサカに間違いないと語る。

オルト・トンプソンは凄腕のネットランナーだったらしい。それも触れただけでニューロンを焼き切るほど高性能な黒いICEを作成できるレベルのランナーだ。ブリジットが彼女を探しているのはその辺が理由に間違いないだろう。


……Rericの作成に使われているソウルキラーを作ったのもオルト・カニンガムらしい。やはりオレの頭からジョニーを追い出すためにもオルト・カニンガムを探し出すのは必須になるだろう。


詳しい時系列はわからないが、オルト・カニンガムが拐われ、それを助けるためにジョニーはアラサカにテロをしかけたということか?そういうことらしい。

鍵はオルト・カニンガムだ。

ただ、オレが最初に見たジョニーのアラサカへのテロとオルト・カニンガムを救出するテロは別口のようだ。


オルト・カニンガムはどうやらソウルキラーを使われて死んだようだ。

もしかしたらオルト・カニンガムも記憶痕跡を保存されているかもしれない。

ジョニーから真実を聞いた。記憶痕跡はないが彼女の精神はアラサカのサブネットに囚われいるらしい。サブネットの、ブラックウォールとやらの先に。救出が出来れば、なんとかなるかもしれない。

ブリジットはブラックウォールを突破するためにオルトを探しているのではなく、オルトを助けるためにブラックウォールを突破する手段を模索しているようだ。


ブリジットはジョニーの記憶の断片があればオルトと接触できるという。既にその手段は手に入れていたようだ。ただオルトを説得するための材料がなかった、と。


オルトは自身の魂をAIとして変換しブラックウォールの向こう側に確かに存在した。

オルトはオレのRericをどうにかする気はないらしい。いや、オルト・カニンガム単体の技術ではできないようだ。

神輿へとオルト・カニンガムを連れていけば可能になるらしい。


取引は成立した。オレが助かる道は見つかった。あとは手段だ。

どうやってアラサカに侵入し、神輿へアクセスするか、それが問題だ。そっちはタケムラに期待しよう。